各国の景気対策効果の息切れで世界経済の二番底懸念が浮上
第二弾の景気対策はむずかしいのでしょうか。
これは非常にむずかしいでしょうね。米国では医療保険制度改革があるので、そこにお金を振り分けなければなりません。イギリスは国債の格下げ懸念があるので、財政緊縮は避けられない状態にあります。ユーロ圏は、欧州通貨制度を維持するためにも、ユーロ参加国に対して厳しい財政規律を求めていますし、現にドイツが新車買い替えの補助金を打ち切ることになったのも、財政赤字の増大に対する批判が強まったためです。
そして日本は、G7のなかで最も財政事情が悪いということで、さらなる景気対策を打てるかどうかは疑問です。このように、各国の事情を考えても、第二弾の景気対策を打つことが非常にむずかい状況にあることがわかります。まず間違いなく、世界的に景気は二番底を打ちにいくでしょう。そして、そこから急速に回復するというのも、また望み薄です。私は「L字型」と言っているのですが、景気は大きく落ち込んだ後、そのまま底ばいつつ小さな波を打つ状態が続くでしょう。そこからの回復スピードも極めて緩やかで、長く厳しい状態が続くと思います。−世界景気が回復するためには何が必要なのでしょうか。
米国のづフンスシート調整が一段落すれば、徐々に景気は上向き始めると思います。米国の個人消費は、これまで借金によってレバレッジがかけられ、どんどん加速していきました。たとえば家を買うと、それを担保にして借金をし、次はモノを買うというようなことを繰り返してきたのです。その結果、米国民の貯蓄率は、それまでは常時、8%程度で推移していたのです、が、ひどい時期には何と0%台まで下がっていました。まさに貯蓄ゼロの状態です。 こうしたなかで、米国の住宅価格が大きく下げ、借金の担保価値が大幅に目減りする状態に追い込まれました。もはや住宅を担保にして借金をするなどということは考えられないでしょう。
その結果、現在米国民の貯蓄率は徐々に上昇基調をたどってきています。目下、米国の貯蓄率は3%になっていますが、米国のバランスシート調整が一段落するためには、さらなる貯蓄率の上昇が必要です。最低でも、それまでの巡航速度であった8%程度まで回復しなければ、バランスシート調整は終わらないでしょう。いつそこまで戻るかといえば、おそらく、2010年中はまだ厳しい状態で、2011年くらいになるのではないでしょうか。
それと、もうひとつはやはり雇用の問題がどうなるのかということです。現在、米国の失業率は9.8%ですが、これから10%台まで上昇することも十分考えられます。この失業率の数字がピークをつけてから低下し始めれば、そこから徐々に景気は上向いていくでしょう。
結局のところ、米国のGDPの7割は個人消費が占めています。したがって、この部分が受けた傷口が、どこまで癒えてくるのかということが、今後の米国景気を見るうえで重要となります。そして、米国経済が立ち直らない限り、世界経済の回復も困難ですから、まずは米国景気の回復が、何よりも大事ということですね。
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