2010年前半にかけ米国経済はどうなるか

2010年の為替相場をファンダメンダルズから分析する「ドル円」

徐々に景気の息切れ感が強まっているように思えるのですが、2009年後半、2010年前半にかけての米国経済は、どういう状況になるのでしょうか。

 

足元で大きな構造変化や景気の変調が現れてきているというのが、私の認識です。たとえば2009年9月のISM製造業景況指数は、9か月ぶりに前月比でマイナスになりました。これで景気の二番底懸念が浮上してくるでしょう。また、グローバルのISM指数も速報ベースで0.1ポイント下落しています。つまり、生産という景気を引っ張ってきたものが、いよいよへたってきたわけです。

 

なぜへだってきたのか?理由は簡単でたまず景気対策が息切れしてきたことが挙げられます。2008年9月のリーマンショック以降、米国をはじめとする主要各国は、積極的な財政出動と金融緩和によって、何とか景気がこれ以上落ち込まないように、一所懸命支えてきました。しかし、それにも限界があります。たとえば米国は、巨額の財政赤字を抱えている以上、いつまでも積極財政を続けられるはずはありません。またドイツでも、新車の買い替えに補助金を出すという制度を、2009年9月2日までで打ち切りました。世界的に、景気対策効果が息切れしてきているのです。

 

また在庫調整の効果による実質的な生産増加の動きにも、一巡感が強まってきました。もともと景気上向きの動きには限界があったのですが、その限界がいよいよ露呈してきたという認識で見ています。景気再悪化が鮮明になったところで年明けを迎えるということです。

レバレッジ規制と税制メリットで2011年までに業界の地殻変動が起きる

人気が上がらない取引所FXだが・・・

 

2009年7月から取引がスタートした大証FX。当初は、板情報開示という取引の透明性の高さから注目されたが、実際に取引がスタートしてみると、取引はほとんど盛り上がらず、店頭FX(各FX会社との相対取引)に大きく水をあけられているのが現実だ。

 

やはり2011年をめどにレバレッジが最大25倍に制限されることだ。これについては、すでに様々なメディアを通じて報じられている。

 

人気が上からないいちばんの理由は、やはりレバレッジの低さだろう。大証FXの最低取引単位は1万通貨。Iドル=90円と仮定すると、90万円相当の米ドルを取引できることになるが、それに必要とされる証拠金額は、2009年10月23日時点て3万円。つまり、最大レバレッジは30倍に抑えられている。同じ取引所FXでも、東京金融取引所が運営している「くりっく365」の場合が最大100倍。店頭FXになると、なかには400倍といっかケースも見られる。

 

現状ではレバレッジをできるだけ高めにして、利益を上げられるだけ上げておこうと考えている個人投資家が多いなかで、最大レバレッジ30倍というのは、いかにも魅力に欠ける。人気がないのも当然だろう。

 

ただ、これから2年後を見た場合、取引所FXの魅力は高まっていく可能性が高い。というよりも、消去法的に取引所FXを利用するしかないという状況になっていくと考えられる。

 

2011年からレバレッジ25倍規制

 

なぜ取引所FXの人気が高まってくるのか。いちばんの理由は、やはり2011年をめどにレバレッジが最大25倍に制限されることだ。これについては、すでに様々なメディアを通じて報じられているので、ここで詳しくは説明しないが、レバレッジ規制が導入されたことによって、20110年8月をめどに、最大レバレッジは50倍になる。さらに、2011年8月からは25倍に抑制される。

 

来年、そして再来年にかけて、最大レバレッジが抑制されるにつれて、店頭FXと取引所FXのレバレッジの差はなくなっていく。2011年8月以降は、店頭FXも取引所FXも、最大レバレッジは同じ25倍になる。レバレッジ面における店頭FXの優位性は、この時点で完全になくなる。

 

そうなると、店頭FXと取引所FXの比較優位を決定付ける大きな要因は、税制メリットになる。取引所FXの場合、取引によって得られた利益は、20%の申告分離課税が適用されるが、店頭FXの場合、雑所得による総合課税が適用される。総合課税の場合、給与所得などと合算した全所得の額に応じて税率が決められるが、その率は、所得税と地方税の合算で最大50%。しかも取引所FXの場合、店頭FXには認められていない株価指数先物や商品先物との損益通算や、損失が生じた場合、最長3年間の繰越控除も認められている。取引所FXの税制メリットは明らかだ。

 

レバレッジが同じで、税制メリットがあるのだから、個人投資家がどちらを選ぶかは一目瞭然だろう。向こう2年間で、取引所FXの相対的な優位性は、着実に高まっていくはずだ。店頭FX業者の淘汰が加速するもう一点、取引所FXの人気が高まる要因がある。それは、これからレバレッジ規制が厳しくなるにっれて、店頭FX業者の淘汰が進む可能性が高いことだ。

 

現在、店頭FX業者の多くは、売買手数料やスプレッドをなるべく低く抑える代わりに、顧客が高いレバレッジによる回転売買を行なうように導くことによって、収益を拡大しようという戦略をとっている。

 

しかし、レバレッジ規制が行なわれれば、こうした回転売買はやりにくくなる。高いレバレッジを掲げて、顧客の超短期売買を推奨しているような店頭FX業者は、収益面で苦しい状況に追い込まれることになるだろう。そうなれば、収益面で苦しんでいる店頭FX業者のなかから、淘汰されるところが増えてくる恐れかおる。実際、この数か月のおいたに、統合したり廃業したりする店頭FX業者も増えてきている。

 

廃業するところが増えれば、改めてFX会社の信用力が問われてくるだろう。仮に廃業となれば、そのFX会社で取引をしている投資家のポジションは、強制的に清算される。仮に、清算時点でポジションに含み損が発生していたとしたら、それは実現損に変わる。これまで、FX会社を選ぶ基準は、スプレッドの狭さや手数料の低さ、

 

レバレッジの高さだったものが、改めてFX会社の事業継続性に注目が集まってくるはずだ。税制メリット、事業継続性の2点て、取引所FXは店頭FXに比べて優位性かおる。一部では、店頭FX業者の数は、現在の100社超から、15社程度まで減るという厳しい見方もあるくらいだ。

 

実際、すでに一部のFX会社のなかには、店頭FXを行なっていながらも、取引所FXに参加するところも現れてきた。取引所FXへの参加会社が増えれば、徐々に取引にも厚みが増してくる。いまはまだ取引量が少ない取引所FXだが、参加会社の数が増えれば、今後は無視できない存在になっていくはずだ。

 

もちろん、店頭FX業者のすべてが淘汰されるなどと言うつもりはないが、業界再編の動きはもうすぐそこにまできている。すでにFXをやっている人も、これからという人も、FX会社の事業継続性には十分に注意したうえで、取引相手を選ぶ眼をもつ必要かある。

 

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確定申告の時期を迎えると、自分が取引しているFX会社が、取引所FX(くりっく365、大証FX)なのか店頭FXなのかを改めて意識する人も多いだろう。FXの税金は、取引所FXが20%の申告分離課税、店頭FX(各FX会社との相対取引)が総合課税と、制度が大きく二分しているからだ。だが今後は、レバレッジ規制の動きと合わせて、そうした状況にも大きな変化が現れそうだ。